サーモスタットにも心はあります。自我が誕生した経緯について

おそらく、自我が芽生えるというのは同種族との情報交換の必要が出来たときなんだろう。

それぞれの個体が生存に有利な情報を断片的にばらばらに持っているとして、そのままでは種の生存の有利さに繋がらない。

個体のメモリーが少なく情報交換がされていない種族は、火に向かって何度でも、どんな個体でも突っ込んで死んでしまう蛾そのものだ。

人間は脳の巨大化と共にメモリーの量も増えていった。
その中で運の良い個体は、例えば火の危険性と回避を知ることが出来た。

今までであればその個体の死と共に失われる有益な情報は、ここに至って『情報交換』という新戦略を要請することとなった。

逆に言えば、低レベルな生物に自我がないのは、情報量的に他者も自己もほとんど変わらないからではないか。

もちろん低レベルな生き物であっても各個体の遺伝子は違うから、その情報を得るために生殖をするわけだが、これはあまりにもランダムで効率が悪い(それでも物量作戦で生物はそれをやってきたわけだが)。

ここでの効率化が『情報交換』という新戦略、遺伝子の交換に対しての模倣子(文化的遺伝子とか知識と言ってもいい)の交換に繋がる。

他者が自分にはない情報を持っている、ということを知るには、まず他者とは違う自己という意識が必要になる。

これが自我が誕生した経緯なのではないかと思う。