もりもり暇を潰せるお話

創作であると信じたい開発のお話

 

 「そうですね。あ、ASPのシステムも少し担当しましたが。そういう意味だと本格的なWebアプリケーションの案件は今回が初です。まあ、私はシステムエンジニアなので、プログラミングはほとんど経験ないですけどね」

 東海林さんとぼくの手が、同時に止まった。

 ――今、何と?

 東海林さんは顔をしかめて訊き返した。

 「失礼。プログラミングの経験がないんですか?」

 「ほとんどです」橋本さんは訂正した。「入社当時に研修は受けましたが、開発室に配属されてからは、SEとして先輩方についてましたね」

 その口調には、プログラミングの経験がないことを恥じていたり、弱点だと思っているする様子はまったくなく、むしろ誇らしげですらあった。プログラミングなどという肉体労働とおっつかっつな仕事は、エースシステムのような上流会社がやることではないのだ、とでも言うように。

 

1話

人形つかい(1) 未知との遭遇:Press Enter■:エンジニアライフ

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