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アメリカは南沙を見据えて北で動く

トランプにとって北朝鮮というのは、レーガンにとってのソ連と同じく、完全無欠の悪の帝国としてこれ以上ない大義名分で叩くことのできる「都合のいい相手」である。

 

その上でアメリカにとって抑え込むべき本丸は中国であって、そのために北朝鮮は都合のいい生贄としてなんらかの制裁が加えられる可能性は高い。

中国が北の核問題を無視する、もしくは北朝鮮の味方をするというならアメリカは大義名分を得るし、中国が北を制裁するならアメリカは自身のリスクを減らせる。さらに、もし中国の制裁が実効力を持つものでなかった場合、これも大義名分をもって北朝鮮を武力で抑え込み、中国に対しても南沙等でこうなるぞ、と警告できる。またはアメリカの望む制裁ではなかった場合でも、いくらでも理由をつけてアメリカの正義を振りかざすことができる(シリアで「都合よく」化学兵器が見つかったようにね)。

どのシナリオでも、中国の拡大に対してアメリカの実力を示せるのでおいしい展開。

 

中国としては北の味方をすると欧米との緊張が高まりすぎるのでそれもできない。そもそも、もう北朝鮮はコントロールできていない。しかし北を制裁すると北の核が北京に向くのでこれもやりたくない。中国としては北のような面倒な存在は放置一択だが、今アメリカはどっちにつくのかと選択を突き付けている。もう中国はごまかしが効かず、北朝鮮を見捨てる段階だが、どの程度見捨てるか、どの程度制裁するか非常に難しい選択を迫られている。