映画「パージ」をどこかの国で実験してみて欲しい

パージ (映画) - Wikipedia

映画「パージ」を見た。こりゃ中々面白い設定だね。あらすじはざっと以下のようなもの。

 

経済が崩壊した後のアメリカでは、「新しいアメリカ建国の父たち」を名乗る集団が全体主義的な統治を行っていた。

「父たち」は1年に1回、すべての犯罪が合法化される夜(パージ)を設けた(夜7時から翌朝7時までの12時間)。この間、すべての警察、消防署、医療サービスが停止される。

パージの導入によって、犯罪率と失業率は1%にまで低下し、経済状況も改善したのである。大衆はパージをカタルシスをもたらしてくれる行事だと思っていたが、実際は「父たち」が大衆をコントロールするための行事であった。なぜなら、パージの夜に犯罪の標的となるのは富裕層ではなく、貧困層だったからである。

 

麻薬抑止のためにある程度の麻薬容認をする(マリファナの限定容認など)という政策はすでに現実にあるが、その暴力バージョンが極端な形で実現化されたら・・・といったような映画だ。

 

もちろんフィクションなので荒唐無稽、ご都合主義の部分はあるものの、なかなか思考実験として面白い。確かにすべての犯罪が合法化される時間があれば、人々は日常の様々な鬱憤に耐えることができるだろう。わざわざ捕まる時間に刹那的犯罪に走ることもない。パージの時間がくれば思う存分、憂さ晴らしができるからだ。

さらに人を怒らせるようなことをすればパージの時間に復讐されてしまうので、礼儀にも気を付けるようになるだろう。それとパージの時間に身を守るにはカネが必要なのである程度は働くようになる。

しかし一方、貧困者や病気の者は身を守る手段もないし、自棄になるしかない。貧困者同士が争い、さらに富裕層は楽しみの狩りとして貧困者を襲う。

 

そしてこれらのことは国家にとって実に都合のいいことばかりだ。人々は日常のストレスに耐えてくれるし、怒りの矛先が国家などよりは身近な人々に向いてくれやすくなる(給料が低いと国家に文句を言うよりも、上司を撃ち殺して社長に給料を上げろと脅迫する方がずっと簡単でカタルシスが得られる)。さらに人々はパージを恐れ協力的、礼節重視になり、身を守るため働きカネを稼ぐことを重視する。貧困者などの社会のお荷物は勝手に掃除されていく。国家としてはウハウハな要素ばかりだ。

 

あれ? ここまで書いていて思ったが、そんなに悪い施策でもないような・・・どこかの国で実験でもしてくれませんかね。まあ、ストレス耐性が強くて失業率2,8%の日本じゃあんま意味なさそうだけど。