中世のセーフティーネットと強制を知らない日本人

奴隷 - Wikipedia

自力救済の時代である中世日本では、人身売買は民衆にとって餓死を免れるセーフティーネットとしての面も持つ行為であったという事実は実に面白い。

 

そしてそういう側面がありながら、日本に奴隷制度が根付かなかったということは驚異的なことである。

もちろん、日本も江戸までは奴隷制が存在したが、外国における奴隷のように大規模で厳密で固定された階級制度ではなかったことには注目する必要がある。現代日本において、残業過多やブラック企業での労働が奴隷と揶揄される状況であるが、実は日本において奴隷という文化はしっかり根付いたことがなく、事実上日本人は奴隷がどういうものか知らないという事実には留意しなければならない。

 

そうしてこそ、たとえば日本人の契約概念の甘さや労働に関する概念の曖昧さ、どこまでが意に沿うことでどこまでが強制なのか曖昧な日本人というものに迫れるのではないかと思う。これは諸外国が「自由」と「不自由」に明確にラインを引くことに対し、実に日本らしい曖昧な「自由」であって、奴隷制を知らず明確な「不自由」を知らなかった日本だからこその「自由」の形なのかもしれない。