ヒトのメスは明らかに乱交という繁殖戦略を持っている

ピルを飲むと「男性の好み」が変わる(石田雅彦) - 個人 - Yahoo!ニュース

この記事を見て思い出したのは、1年前に自分が書いたこんな記事。

ohumigarasu.hatenablog.com

ヒトのメスは明らかに乱交という繁殖戦略を持っていると考えられるので、今回のピルの件もまったく不思議はないだろう。メスにとっては精子の選択可能性が増えるほどメス有利な繁殖を行える。しかも実際の血縁と無関係に養育のコストをオスに負担させられれば完璧だ。通常は繁殖に有利な精子を重視するか、それとも養育に有利なオスを重視するかで適切な行動は異なる。うまく浮気できれば有利な精子を得つつ、別の養育に有利なオスを獲得できてメス有利だが、バレればオスの協力を得られないので養育のコストが大きくなりすぎるジレンマがある。

今回のピルの件は、排卵期ではないことによって養育のコストを重視する面が現れたからではないかと考えられる。

 

もちろんヒトのオスも繁殖チャンスが増えるのでメスの乱交戦略は大歓迎だ。しかしオスの場合は騙されて養育というコストを無駄に負わされない工夫がいる。

 

ヒトのオスの場合は掛けるコスト(セックスに持ち込むまでのコスト)と、メスが出産した後の養育コスト(ごく最近まで確実性のある確認ができなかった父子鑑定)を常にバランスさせてきた。ようするにごく現代になるまでヤリ逃げか、処女厨かという戦略が大部分だった。

珍しいものでは日本の明治期までの戦略のように、村中みんなで乱交してどのメスに誰の種が当たってもお互い様で文句なし(どうせ父子確認なんて無理だし、村はひとつの大家族のようなものでみんな村の子供で養育コストも分散だったから)という戦略もあった(これは血縁よりも家、村というシステムの維持優先だからこそ可能な事であった。女系社会はこういう社会が多い)。

 

こういう風にメスとオスはそれぞれの非対称性を基に、繁殖可能性と養育コストを賭けて常に自分が有利になるように争いあっている。こうしたヒトの繁殖戦略が今度どういう風に進化していくのか、実に興味深いところである。科学によって繁殖が完全にコントロールされつつある昨今、人類のセックスはボノボのようにコミュニケーションがメインのものに変わっていくのかもしれない。緊張を和らげ、敵意の無さを示す挨拶のように気軽に頻繁にセックスするボノボのようにね。