ひま

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こういうネット以前の社会は思いやり溢れる天国で、ネット以後の社会は憎悪と悲しみが溢れたというのは安易な考え方だなあと思う。

ネット以前だって陰口悪口は無数にあった。確かにネットのように面と向かって悪口を言われることは少なかったが、それは口で言う前に拳が飛んできていただけだった。実害で言うとネット以後の方がずっと少ない。ネットでムカついたからと言って実害のある攻撃(ウイルスメールを送ったり)をする者は少ないが、昔はすぐに殴り合いになったものだった。

 

ちなみに犯罪率で言うと、戦後すぐが最高でその後低下を続け昭和48年ごろを底に再び上昇に転ずるが、さすがに戦後ほどには犯罪率も高くなっていない。人口が増えているので件数自体で言うと増えているが。

しかし凶悪犯罪(殺人、強盗、強姦など)、粗暴犯でいうと戦後からずっと低下を続け1/3程度に大きく減っている。

https://www.npa.go.jp/hakusyo/h12/h120101.pdf

平成14年ごろがなぜかダントツで犯罪件数が多いが、それ以後はずっと大きく低下している。

http://www.npa.go.jp/toukei/seianki/h26-27hanzaizyousei.pdf

ネット以後、社会は憎悪と悲しみが溢れたというならもっと凶悪犯、粗暴犯が増えてもよさそうなものだが現実には低下を続けている。

 

だから実際のところは、現代の若者が面と向かった悪口に慣れていないだけである。でもそれはどうせ実害のないものだし、殴り合いに比べればずっとマシであろう(昔の殴り合いが、ネット以後は悪口の応酬という疑似殴り合いになったと言える。しかもこの疑似なぐり合いは痛みも無いので起こりやすい。とはいえ疑似殴り合いの憎悪や怒りなどたかが知れている)。少なくとも、本物の憎悪と悲しみについては凶悪犯、粗暴犯の発生率が素直な指標になるだろう。

 

ちなみに資料にある通り、昔は若者の犯罪が多かったが最近は高齢者の犯罪が増えてきている。ネットに親しんでいる若者の犯罪は減って、ネットに親しんでいない高齢者の犯罪が増えているというのは何とも皮肉だ。

昭和 48 年と平成 27 年の人口千人当たりの検挙人員を比較すると、14-19 歳が半減しているのに対し、 60 歳以上は 2.1 倍となった。