フェラーリとサガンと殿様商売考

フルート奏者『質の高い演奏をしたい』→職場『そういうのは求めていません、きれいなドレスを着てフルートを吹いてくださればそれでいいんです』→契約終了に - Togetter

「質の高さ」を売りにすると殿様商売になりがちなのよな。良い、悪いはともかくとして、「質の高さ」を理解できない客は帰れとなる。まあ、それも一興。

 

それで思い出したのが、フェラーリフランソワーズ・サガンのエピソード。サガンは当時18歳で「悲しみよ、こんにちは」で世界的大ヒットを飛ばし時代の寵児となっていた女性だ。そのサガンが世界で一番ステキな車としてフェラーリを買おうとしたところ、エンツォ・フェラーリは彼女の華奢な腕を見て、「君にはフェラーリはコントロールできない」と言って売らなかったというエピソードだ。

 

古き良き時代のフェラーリとこのフルート奏者は似ている。フェラーリはその後、お家騒動や経営危機を迎えて今では誰でも乗りやすい車を作るようになり、どんなヘタクソが客でも断らなくなった(それでもポルシェのように売れ線目当てでSUVを作ったりはしないが)。

 

残念なことだが商売である以上、フェラーリや高性能マシンというものをまったく理解せず見栄えしか気にしない層を断るという粋な真似をできなくなった。しかしそれはフェラーリが客に媚びているということなのかというと否だ。フェラーリは相変わらず化け物マシンを作り続け、それで客が死のうが気にせず売り続けている。あえて言うならフェラーリは客が死のうが自己責任と不親切になっただけなのだ。

 

さて、このフルート奏者は30年後、どういう仕事のスタイルでいるのか興味深いところだ。