みんな大好きハートマン軍曹

防衛大、過半数が下級生いびり 「粗相」数え、体毛に火:朝日新聞デジタル

単なる幼稚なイジメはあかん。

 

しかし一方で下記のような集団作り、システムというものもある。

軍隊のように何が何でも成果を出さなきゃいけない集団(失敗したらみんな死ぬ集団)において、わざと上官や上級生が分かりやすい憎まれ役になるのはよくあることである。ハートマン軍曹とかね。わざと因縁つけてシゴくなんて当たり前。

 

なぜそうするかというと、成果が必須な集団においては何よりも団結力が重要で、普通にやっていたのでは団結力というものは育たないからだ。普通にやっていたら各人、能力も考えもバラバラなのでまとまらない。たいていは能力のないものやマイノリティがイジメの対象になったり派閥ができたり、各人の考えでバラバラに動き出す。緊急時に一致団結が求められる集団においてこれは致命傷になる。

 

そうした集団が一致団結するために何が必要になってくるかというと、まず全員に共通する敵である。敵がいて初めて人は団結できる。そして強烈な否定によって団結させたあと、今度は各人と集団に承認を与えてやる(認めて褒めてやる)。それで集団は疑似的に憎まれ役を見返すことができ、集団の力を感じるようになるのだ。

そうして初めて集団は各人が個性を持ったまま強力な結束力を持つことになる(まあ洗脳の方法と同じなんだけどね)。

 

ハートマン軍曹は黒人でも白人でもユダヤ系でもイタリア系でも平等に理不尽にイジメ抜く。なぜなら戦場では理不尽は当たり前であり、理不尽に耐えられない奴から死んでいくからである。そこで軍曹は堂々と憎まれ役になる。

 

一方でハートマン軍曹は新兵各人の適性をよく見ている。コイツは能力がないと言って見捨てることは絶対しない。体力のないデブには特にしっかりかまってやる(戦場に出るとデブは真っ先に死んでしまうから、部下が可愛い軍曹は特に目を掛ける)。そしてデブの狙撃の才能を見抜き、ジョーカーの班長としての適性を見抜いたように、しっかり各人を認めて兵士としての自覚、プライドを与えてやるのである。

 

まあ作中ではやりすぎたハートマン軍曹は精神を病んだデブに殺されてしまうのであるが、失敗したらみんなが死ぬ集団では普通の方法と同じようにいかないのは当たり前かもしれない。